現場監督の仕事 | 住まい・建築・デザインに関するコラム
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 プラスディー設計室の室長(代表)。

 エンジニアリング開発の専務。

 住まい、建築、デザインに関して
 鹿児島県、鹿屋市、設計事務所、
 家づくり、建築家、不動産、資産運用
 デザイナーズマンション、インテリア
 などについて偉そ〜に語っている
 コラム(ブログ)です。


 
 


     

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現場監督の仕事
自分が現場監督をしていた時、建築関係者以外の方からよく聞かれたことがあります。

「現場監督って何してるの?」

意外と仕事の内容までは知らない方が多いみたいです。実際に建物をつくるのは職人さんですから、現場監督の存在意義があまり理解されないようです。

よく例えられるのがオーケストラの指揮者ですね。設計者は作曲者となります。職人さんを指揮して設計図通りに建物をつくっていくのが現場監督の仕事です。


鉄筋コンクリート造の場合でお話しします。

現場では様々な職種の職人さんが入ります。大工さん、鉄筋屋さん、土工さん、左官屋さん、塗装屋さん、サッシ屋さんなどなど挙げるとキリがありません。現場監督の仕事はその様々の業種を、「どの下請け業者を使って」、「どの値段で」、「どのタイミングで」、「どのやり方で」、「どの精度で」、などをそれぞれ検討し指示していくのが主な仕事となります。それぞれ説明しましょう。

まずは、
どの下請け業者で

基本的には建設会社が自分の会社の職人さんを使うわけではありません。様々な職種の下請け会社を使って建物をつくっていくことになります。それぞれの建設会社によりお付き合いのある下請け業者は違います。建設会社によっては子会社で大工さん等を抱えているところもあります。また、使ったことの無い新規の下請け業者を使うこともあります。その様々な下請け業者の中から信頼できて価格の安い下請け業者を選ぶことになります。実際には信頼できる2、3業者に見積もりを出してもらって価格の合う業者を決定することが多いようです。


どの値段で

前の項とリンクしますが、業者を選定したら実際に幾らでできるか折衝します。大抵は下請け業者さんが出した見積もりから値切ってしまうことが多いようです。「この金額しか出せないからこの金額でやれ」とか「次の現場ではちゃんと利益を出させるからこの現場はこの金額でやれ」とか理不尽な命令をされることが多いのも下請け業者の立場の悲しいところです(笑)。現場監督の腕の見せ所でもあるんですが。質を落とさない代替案(VE案)を提案してコストを下げることも考えます。


どのタイミングで

例えば、壁紙を仕上げるのには、その前に下地の工事が終わってなければなりません。下地工事の前には断熱の工事が終わって、その前には壁の左官補修の工事が終わって、その前にはサッシの取り付け工事が終わって・・・・などどの工事にしろ他の職種との兼ね合いが出てきます。効率よく職人さんが働けるための段取りをするのが現場監督の大きな任務です。また、壁紙の前にフローリング工事を終わらした方がいいなど現場の考え方により段取り方法も違います。この段取りを決めるために工程表と睨めっこし、業者さんと打ち合わせを重ね、毎日何本もの手配を電話でします。ひとつでも順番と手配を間違えると職人さんが来ても仕事が出来なくなります。「現場監督は段取り命」


どのやり方で

例えばサッシを取り付けするのにも、コンクリートの開口はどんな形状と大きさで空けておいて、サッシを壁面からどの寸法で取り付けして、サッシ廻りの防水方法をどのようにして、サッシ廻りの木枠はどの大きさや材種のものを壁からどの寸法で取り付けるかなどなど、施工図を書いて、ひとつひとつ決定し、職人さんに指示します。設計図に詳細図があっても、例えば防水上不備があれば設計事務所と打ち合わせして納まりを変更します。施工図や施工計画書などを作成して検討する仕事です。また、安全に仕事ができるための足場などの仮設計画も重要な仕事のひとつです。


どの精度で

やり方を決めても指示したとおりに職人さんが仕事を出来なければ意味がありません。現場に足を運び施工状況をチェックし、やり方が違ったり仕事が雑なら是正指示をします。職人さんと話しをしてやり方をより良い方法に変更する場合もあります。ひとつひとつ職人さんの手によって建築はつくられます。すべての職人が高い精度で仕事をするためには、高い頻度で現場に足を運ばなければなりません。



このように、現場監督には様々な仕事があります。牛丼屋じゃありませんが、どれだけ「早く」「安く」「うまく」出来るかが現場監督の資質です。リーダーシップ、頭脳、精神力、体力、交渉力が要求されます。
他にも、現場写真や配筋写真を撮ったり、施主や設計事務所と会議をしたり、現場で墨出しをしたり、安全日誌を書いたり、予算を組みなおしたり、現場監督の仕事を挙げればキリがありません。現場は日々変わるので、一日一日が勝負。現場監督が休めば現場は止まるので高熱でも休めません。突貫現場では数ヶ月休み無しで早朝から深夜まで働くこともあります。ひとつの段取りミスが何十万、百万単位の損失となることもあります。現場監督は日々、責任とプレッシャーのかかる精神的にも体力的にも過酷な仕事なんです。

とは言っても、やはりやりがいのある仕事でもあります。自分の段取りした通りに建物が出来ていき、利益も上がればそれはもう嬉しいものです。ひとつの現場でも何千万にもなる工事金額はそこらの会社の売り上げより高いですから、現場所長は社長のようなものです。大きなお金を動かし、多くの人を動かし、立派な建築をつくりあげる大変だけど夢のある仕事なのかもしれません。



ちょっと話は変わりますが、分離発注というものがあります。建設会社に頼むのではなく、コストを抑えるために直接下請け業者に頼み、現場監督にあたることを設計事務所がするものです。私のお知り合いや友人で分離発注をされている方も多いです。しかし、あえて言わせてもらいますが、よっぽど単純なつくりの木造住宅や店舗等でない限り、分離発注は避けるべきだと考えています。今回現場監督の仕事を挙げた通り、とても設計の片手間にできる仕事ではありません。そんなスーパーマンはいないです。設計か現場管理のどちらか、もしかは両方の仕事がないがしろになります。分離発注で成功する場合は大工さんが飛びぬけて優秀で現場監督のような仕事までしてくれるときだと思います。

設計事務所は現場監督がちゃんと現場監督の仕事をしているかを「監理」するのが重要な仕事なんです。自分が監督になってしまうと監理する人がいなくなってしまいますから。
コメント
from:   2007/12/14 11:10 AM
旦那様 現場監督なのですが いまいち どんな仕事なのかわからず 検索して覗かせていただきましたm(__)m
from: Yasufumi Kawabata   2007/12/14 12:07 PM
コメント有難う御座います。

本当に本当に大変な仕事だと思います。
ノイローゼになる人も非常に多いので家族の支えは大切ですよ!
from:   2008/10/16 7:21 PM
自分は専門学校の建築科に通う学生で、進路を決める為に建築の仕事内容を検索しました。
そんな中この記事を読んで、とても参考になりました。
from: Yasufumi Kawabata   2008/10/17 9:58 AM
コメント有難う御座います。

そう言って頂けると書いたかいがあります。
就職活動頑張ってください。
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