大きなはめ殺し窓のデメリット・メリットと当社設計方針 | 住まい・建築・デザインに関するコラム
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 +D設計室プロジェクトノート

  〜現在工事中、計画中の建築レポート〜

PROFILE

 プラスディー設計室の室長(代表)。

 エンジニアリング開発の専務。

 住まい、建築、デザインに関して
 鹿児島県、鹿屋市、設計事務所、
 家づくり、建築家、不動産、資産運用
 デザイナーズマンション、インテリア
 などについて偉そ〜に語っている
 コラム(ブログ)です。


 
 


     

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大きなはめ殺し窓のデメリット・メリットと当社設計方針
お陰さまで仕事に追われ、このコラム更新も怠っています。
11月と12月にそれぞれオープンハウスも開催できると思いますのでお楽しみに。


さて、久々にコラムらしいことを。


大きなはめ殺し窓(FIX窓)について。

当社の特徴のひとつとして、自分の建築にはあまり大きなはめ殺し窓(FIX窓)を使いません。

その理由としては、大きなはめ殺し窓をつくると、掃除がしにくい、断熱性能が落ちる、台風の際に危険、コストが上がるなどのデメリットがあるからです。それぞれ説明すると、

「掃除がしにくい」というのは大きな窓をつくらなくても、吹き抜け上部の高窓も当てはまります。
当社では極力、ハシゴが届く位置か、オペレーターにて窓を開けて、屋根やバルコニーから掃除できるようにします。または、型ガラスにしておいて窓の汚れを目立たなくし掃除の回数を減らします。灰が降る鹿児島では窓ガラスの掃除について注意を払って設計する必要があります。

「断熱性能が落ちる」ことに関しては一番の問題点です。
省エネ計算のソフトで計算するとわかるのですが、ペアガラスであっても窓からの断熱損失は大きく、室内全体に占める熱負荷は窓の影響を強く受けます。どんなにいいガラスを使っても壁の断熱性能には遠く及びません。また、冬の日差しは心地よく室内を暖かくしますが、夏の日差しは大きな庇を付けないと室内が暑くなりすぎて大変です。窓は通風できてこその窓なので、出来ればはめ殺しだけではなく、換気の出来る窓も併設するべきだと思います。

「台風の際に危険」ということに関しては、南国鹿児島にとって無視できません。
実際に風圧で割れることはまずありませんが、木の枝や石、瓦などが飛んできて窓が割れます。本当になんでも吹っ飛ぶほど、直撃した時の台風の力は凄まじいものがあります。大きな窓には極力雨戸かシャッターを取り付けたいものです。まあ、運が悪くないと窓が割れることはありませんが、実際に起こっていることなのです。

「コストが上がる」ことも問題です。
まあ、実際にはただ大きなガラスを設けるだけなら、逆に安く済む場合もあります。外壁貼って、断熱材入れて、室内仕上げてという工程がその場所だけサッシひとつで済むわけですから。しかし、これが特殊なガラスやカーテンウォールにするとコストが上がってしまいます。
もちろん、ガラス面が増えると冷暖房のコストが上がるのは確実です。なお、木造の場合、既製品のサッシを採用した方がコストを下げることができます。



とまあ、デメリットを上げましたが、もちろん大きなメリットもたくさんあります。

大きな窓はデザインに幅を与え、室内を明るくし、豊かにし、よりダイナミックな建築を実現できます。優れたデザインの建築をみると、窓の設け方やディテールに一工夫も二工夫もしています。開口部の設け方というのは、閉じたり、開いたり、採光、通風、外部と内部との関係性によって巧みにコントロールする非常に繊細なもの。建築家はただ大きな窓を設けるだけではなく、効果的に計算された窓の設け方により、室内空間を豊かにし住宅の魅力をより素晴らしいものにしています。建築家の真骨頂は窓に秘められていると断言できます。自分としても大きな窓をもつ空間は大好きです。


しかし、あまり「作品性」に拘らない自分は、最初にあげたようなデメリットを飲み込んでまで大きなFIX窓を採用したいと思わないのです。やっぱり自分は建築家じゃないのかなぁ(笑)
もちろん、建主から要望があり、これらのデメリットを理解したうえでなら喜んで採用します。建主の家づくりに対するスタンスに寄りますね。基本的には好きですから(笑)


まあ、おそらくこの窓に関する考え方は当社の設計方針を象徴している気がします。

改めて、当社の設計方針を書くと、

「お客様と打ち合わせを重ね、じっくりと考え抜かれた設計をするとともに、
 コストを抑え、お客様の理想の住まいをご予算に応じてご提案致します。
 デザイン、使いやすさ、設備、断熱、構造、コスト、メンテナンス性などを
 バランスよく高いレベルで実現することを目指している設計事務所です。」

これがプラスディー設計室です。

「そんなの当たり前のことでしょ?」と思われるかもしれません。
でも、改めてこんなことを設計方針に上げるのは当社ぐらいな気がします(笑)
普通は、デザインに強い事務所、木に拘る事務所、空間の豊かさが特徴の事務所など、それぞれの事務所で事務所の色を出し作品をつくっています。
でも自分は欲張りなので、全部強くなりたい。もちろんデザインも含めて。
「バランスよく高いレベル」というのがキーワードです。それは設計事務所のイメージに足りない「安心感」というものをどうにかしたいという想いもあります。
まだまだ満足できていないし、永遠に満足できることは無いでしょうから、一生目指していくつもりです。
(と言いながら初期の建築が実は一番良いデザインだねというのはよくある話ですが(笑)


こんなちょっと中途半端な立ち居地のプラスディー設計室、今後ともよろしくお願い致します。

コメント
from: 宗純蔵   2010/10/20 11:58 AM
小学校、中学校の頃でも、
あるいはもっと大きくなってからでも、
「何でもできる人」っていましたよね。
理系・文系を問わず勉強ができ、
体育・運動部でも活躍しながら
美術や音楽でも才を発揮する、といった。

そんな子どもたちもいつか、
職を得て、「何者か」になっていく。
僕は川畠さんの建築も、
徐々に何者かになっていっている、と思います。
2年、3年前の建築より、
最新作の方が整理され、
言説と建築のシンクロ率が上がっている。

作家性を
「ただのカッコツケ」とか「権威付け」とすれば
何の魅力も感じませんが、そうではないから
学べば学ぶほど良作<秀作<傑作に魅了される。
川畠さんのブログを読んでいて、
現地に行って見てみたくてお尻がムズムズする回数、
増えてますよ。
from: yasufumi kawabata   2010/10/20 1:45 PM
そ、そうですか(汗)
宗純蔵さんにそう言われると勇気をもらえます。
少しずつ成長できてるのかもしれませんね。
結果として作品としての純度も上がっていけばいいなぁと思います。日々是鍛錬!頑張ります(笑)
from: かんく   2010/10/25 7:57 PM
我が家の玄関にFIX窓を入れてもらっていますが、
私はとてもお気に入りです。
「バランス良く高いレベル」は、
私の仕事にも当てはまります。
最近はどこも専門分野を売りにする
傾向が強いのですが、
私は師匠の教えもあり、
generalistでありたいと思っています。
我々も「安心感」が大事なので、
疎かにしないよう気を付けます!
from: yasufumi kawabata   2010/10/26 9:25 AM
そうですね、かんくさんの玄関のFIX窓は効果的だと思います。庭とお隣の畑をうまく切り取れました。
FIX窓はやっぱり「ピクチャーウィンドゥ」なんですよね。


generalist!
いい言葉です!お互い頑張りましょう!(笑)
from: こなちょパ   2010/10/29 4:41 PM
確かに「設計の先生」というと斬新奇抜なアイデアで
「ちょっと他とは違うぞ」ってトコを売りに
している人も少なくありませんからね。
それが決して悪いコトとは思いませんが。。。

質実剛健且つ今の時勢にあった意匠。
なんだか今回のブログは+D設計室の基本的考えが
よく分かったような気がします。

何かとお忙しいようですが、頑張って下さい^^
あ、台風、逸れてよかったですね。こちらも逸れるかな???
from: yasufumi kawabata   2010/11/02 10:18 AM
まあ、結局はお客さんの考えにあわせますけどねー。


台風大したことなくてよかったです。天皇賞開催されてよかったね(笑)
from: tomsworks   2010/11/02 11:22 AM
いつもブログ楽しみにしています。tomsworksと申します。

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