こちらのコラムへ超久しぶりの投稿です。
さて、豪雨災害が凄いことになっております。
熱帯化が進んでいるのでしょうか。この災害は人事とは思わないようにしなければいけませんね。
以前もこのコラムで書きましたが、正直、建築現場では様々な場面で、メーカーが定める施工要領を守らずに施工してしまっているケースは多々あります。
よく、職人さんは「今までこのやり方で問題があったことはないから大丈夫」と言われます。
しかしながら、今後、今まで経験していない地震や100年に一度の豪雨や突風に見舞われる可能性はあるのです。極端な話し、福島の原発問題も同じことです。想定外ではなく、想定していないことが悪いのです。
だからといって、無駄に補強しすぎてもお金がかかるだけです。重要なのは、「当たり前のやり方で当たり前の施工」をすることだと思います。お客さんにとっては一生の一度の超高額商品です。施工要領通りの当たり前の施工がされていて当然という意識は、未だに建築現場ではまだ薄いと実感しています。
当社では着工前に施工担当者の皆さんに、「異常気象により今まであったこともないような強風や大雨にも耐えられる建築を目指し、今までこれで大丈夫だったからという考えではなく、ひとつひとつの作業を丁寧に確実な施工をお願いいたします」とお願いを必ずしています。たったそれだけですが、意外に効果があるような気がしています(笑)
さて、災害に関連しまして、全国の自治体で防災マップ(ハザードマップ)というのを発表しているのをご存知でしょうか?意外に知らない方多いんですよね。
このマップは川の氾濫しやすい地域、土砂災害の起こりやすい地域、避難場所などが記載されています。当社も建物を計画するときには必ずチェックします。
もちろん鹿屋市も防災マップを製作しています。
こちらの鹿屋市のホームページより、地区ごとにダウンロード可能です。
ちなみに、昨日氾濫して大変なことになった熊本市の白川流域。
こちらで防災マップをみることができますが、なんと予想浸水が5m以上という地域も!
実際にこのマップを見ると、今回の氾濫は想定外ではなく、想定内であることがよくわかります。重要なのは常日頃の備えだなぁと実感します。
ほとんどの自治体で防災マップは発表しているはずですので、自分の住んでいるところや働いているところを必ずチェックしておきましょう!
→鹿児島市防災マップ
東北地方の震災で心を痛める日々です。
こちらにも書きましたが、普通の日常を送れること、家族を守る住まいをつくることの重要さを想いながら、仕事をしております。
さて、建築的には仮設住宅の整備などはまだ数ヶ月かかるものと思われます。
そんななかで、建築家・坂茂によるボランタリー建築機構が避難所用 簡易間仕切りシステムを改良してつくる活動を開始しております。建築に携わる人間として、このような迅速に対応できるであろうことを支援したいと思います。当社も募金を行いましたが、こちらにその試みを紹介させていただきます。賛同いただける方はぜひ募金を!
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東北地方太平洋沖地震 支援 募金のお願い
東北地方太平洋沖地震に関する多数の問い合わせをいただいておりますが、被災者が避難されている避難所でこれまで作ってきた簡易間仕切りを改良して作る活動を開始し、現在準備を進めております。
今後、避難所での生活を強いられる人々にとってはプライバシーもなく、より精神的な苦痛が増すことを避けることが必要と考えます。
順次、詳細を掲載していく予定で、同時に皆様からの義援金のご協力をお願い致します。
以下、板茂建築設計のサイトをご覧下さい。
今年もデザインマーケットを開催します!
なんと今度は北田商店街の空き店舗の中でやります!
もちろん当事務所も参加予定です!
さて、そのデザインマーケットで松山将勝さんのトークライブを開催しますのでお知らせします。
※クリックするとPDFファイルが開きます。
・建築家 松山将勝トークライブ 「建築家との家づくり」
日時:3/6(日)14:00〜 入場無料
松山建築設計室、松山将勝氏によるトークライブ。
福岡でご活躍される建築家 松山将勝氏を迎えてのトークライブをデザインマーケットにて開催します。
鹿児島県奄美大島出身の松山氏は鹿屋工業高校をご卒業されており、ここ鹿屋とは縁の深い方です。数々の賞を受賞し、昨年には国際建築賞も受賞されるなど、建築デザインの最前線を走っておられます。そんな松山氏の家づくりの過程やお施主さんとのやり取りなど、過去の作品を紹介しつつお話し頂きます。建築家へ住宅を依頼する仕方や建築家と家を建てるとはどのようなことか、ぜひ参考にして下さい。
また、鹿児島の設計士達を交え「建築家と街の関わり方」をテーマにトークセッションも開催します。
TV放映のお知らせ
2月19日(土) 08:00〜08:30、2月26日(土) 08:00〜08:30(再放送)
BS11の「建築家のアスリートたち」という番組にて松山さんの特集があります。
デザインマーケットトークイベントに合わせてくれたような奇跡(笑)
ぜひご覧下さい!
長期優良住宅やエコポイントなどの制度により高断熱材の需要が大幅に上がったためだと思われます。つまり、今までは10K程度のグラスウールが主流だったのが、16K以上のグラスウールが主流になってきています。壁も天井も10Kグラスウール50mmという低断熱住宅(未だに鹿屋じゃある!)に比べると、次世代省エネ基準で言うと壁16K100mm、天井高性能GW16K155mmなので数倍の量が必要となります。そりゃあ、断熱材も足りなくなりますわな(笑)10K商品の品薄状況が一番酷いみたいですが、たぶん生産体制を16K以上のものにシフトしているんでしょうね。
今のところ、なんとかなっていますがこの先の状況を見て、グラスウールの代替品を検討しないといけないかも。コストパフォーマンスはグラスウールが圧倒的なので、他の断熱材にするとコストは間違いなく上がってしまいます。う〜ん、頭が痛い。
さて、現在当社で設計する住宅は全て住宅エコポイントに対応しています。
エコポイントの対象となるのは「省エネ基準(平成11年基準)を満たす木造住宅」または「省エネ法のトップランナー基準相当の住宅」に対応する住宅です。
前者の省エネ基準というのは基本的に断熱材の厚みによるもので計算等は必要ありませんが、後者のトップランナー基準は計算が必要となります。
当社では「省エネ法のトップランナー基準相当の住宅」で対応する場合が多いです。というのは、計算は面倒くさいのですが、エコキュートさえ採用すれば比較的楽にクリアできてしまうんです。正直に言って、省エネ基準に比べ基準が緩すぎるのではないかと思います。エコキュートを過大評価しすぎです。なんかきな臭いなぁ・・・・・。
当社設計基準では、トップランナー基準は軽くクリアできてますが、次世代省エネ基準には少し及ばないという場合が多いです。これはご予算により変わりますが、一番コストパフォーマンスが良いものを選び快適な住宅を目指しています。
ここで何度も書いていますが、断熱材の「量」よりも間取りと空間による太陽と風のコントロール、そして断熱材の施工品質が重要なのです。
11月と12月にそれぞれオープンハウスも開催できると思いますのでお楽しみに。
さて、久々にコラムらしいことを。
大きなはめ殺し窓(FIX窓)について。
当社の特徴のひとつとして、自分の建築にはあまり大きなはめ殺し窓(FIX窓)を使いません。
その理由としては、大きなはめ殺し窓をつくると、掃除がしにくい、断熱性能が落ちる、台風の際に危険、コストが上がるなどのデメリットがあるからです。それぞれ説明すると、
「掃除がしにくい」というのは大きな窓をつくらなくても、吹き抜け上部の高窓も当てはまります。
当社では極力、ハシゴが届く位置か、オペレーターにて窓を開けて、屋根やバルコニーから掃除できるようにします。または、型ガラスにしておいて窓の汚れを目立たなくし掃除の回数を減らします。灰が降る鹿児島では窓ガラスの掃除について注意を払って設計する必要があります。
「断熱性能が落ちる」ことに関しては一番の問題点です。
省エネ計算のソフトで計算するとわかるのですが、ペアガラスであっても窓からの断熱損失は大きく、室内全体に占める熱負荷は窓の影響を強く受けます。どんなにいいガラスを使っても壁の断熱性能には遠く及びません。また、冬の日差しは心地よく室内を暖かくしますが、夏の日差しは大きな庇を付けないと室内が暑くなりすぎて大変です。窓は通風できてこその窓なので、出来ればはめ殺しだけではなく、換気の出来る窓も併設するべきだと思います。
「台風の際に危険」ということに関しては、南国鹿児島にとって無視できません。
実際に風圧で割れることはまずありませんが、木の枝や石、瓦などが飛んできて窓が割れます。本当になんでも吹っ飛ぶほど、直撃した時の台風の力は凄まじいものがあります。大きな窓には極力雨戸かシャッターを取り付けたいものです。まあ、運が悪くないと窓が割れることはありませんが、実際に起こっていることなのです。
「コストが上がる」ことも問題です。
まあ、実際にはただ大きなガラスを設けるだけなら、逆に安く済む場合もあります。外壁貼って、断熱材入れて、室内仕上げてという工程がその場所だけサッシひとつで済むわけですから。しかし、これが特殊なガラスやカーテンウォールにするとコストが上がってしまいます。
もちろん、ガラス面が増えると冷暖房のコストが上がるのは確実です。なお、木造の場合、既製品のサッシを採用した方がコストを下げることができます。
とまあ、デメリットを上げましたが、もちろん大きなメリットもたくさんあります。
大きな窓はデザインに幅を与え、室内を明るくし、豊かにし、よりダイナミックな建築を実現できます。優れたデザインの建築をみると、窓の設け方やディテールに一工夫も二工夫もしています。開口部の設け方というのは、閉じたり、開いたり、採光、通風、外部と内部との関係性によって巧みにコントロールする非常に繊細なもの。建築家はただ大きな窓を設けるだけではなく、効果的に計算された窓の設け方により、室内空間を豊かにし住宅の魅力をより素晴らしいものにしています。建築家の真骨頂は窓に秘められていると断言できます。自分としても大きな窓をもつ空間は大好きです。
しかし、あまり「作品性」に拘らない自分は、最初にあげたようなデメリットを飲み込んでまで大きなFIX窓を採用したいと思わないのです。やっぱり自分は建築家じゃないのかなぁ(笑)
もちろん、建主から要望があり、これらのデメリットを理解したうえでなら喜んで採用します。建主の家づくりに対するスタンスに寄りますね。基本的には好きですから(笑)
まあ、おそらくこの窓に関する考え方は当社の設計方針を象徴している気がします。
改めて、当社の設計方針を書くと、
「お客様と打ち合わせを重ね、じっくりと考え抜かれた設計をするとともに、
コストを抑え、お客様の理想の住まいをご予算に応じてご提案致します。
デザイン、使いやすさ、設備、断熱、構造、コスト、メンテナンス性などを
バランスよく高いレベルで実現することを目指している設計事務所です。」
これがプラスディー設計室です。
「そんなの当たり前のことでしょ?」と思われるかもしれません。
でも、改めてこんなことを設計方針に上げるのは当社ぐらいな気がします(笑)
普通は、デザインに強い事務所、木に拘る事務所、空間の豊かさが特徴の事務所など、それぞれの事務所で事務所の色を出し作品をつくっています。
でも自分は欲張りなので、全部強くなりたい。もちろんデザインも含めて。
「バランスよく高いレベル」というのがキーワードです。それは設計事務所のイメージに足りない「安心感」というものをどうにかしたいという想いもあります。
まだまだ満足できていないし、永遠に満足できることは無いでしょうから、一生目指していくつもりです。
(と言いながら初期の建築が実は一番良いデザインだねというのはよくある話ですが(笑)
こんなちょっと中途半端な立ち居地のプラスディー設計室、今後ともよろしくお願い致します。
今までこの「住まい・建築・デザイン・関するコラム」で現場状況も書いていましたが、
記事数が多くなり見づらくなってきたので、新しいブログを立ち上げました。
工事中、計画中のプロジェクトに関することは「プロジェクトノート」
コラムやその他のことは「住まい・建築・デザインに関するコラム」
という感じで分けていくつもりです。
よろしくお願い致します。
ちなみにホームページも少し手を加えました。(まだ未完成ですが・・・)
切妻のフラットハウス 完成見学会(オープンハウス)
2010年8月7日(土)、8日(日)
AM10:00〜PM6:00
鹿屋市上名
切妻瓦屋根の木造平屋住宅です。
リビング、ダイニング、和室と繋げれば30帖の大空間になり、
リビングから和室とダイニングとそれぞれ収納可能な引戸で仕切ることが可能です。
ガレージからアクセスできるシューズクロークなど使いやすい収納も多数配置。
内部は畳を中心とした落ち着いた空間、外観は切妻のシンプルなフォルム。
東西に長い敷地を最大限利用した、平屋の優しい雰囲気の住宅です。
お施主様のご好意によりオープンハウス(完成見学会)を開催することになりました。
ぜひ、お気軽にお越し下さい。
※お子様が室内を汚したり、走り回ったりしない様ご配慮お願い致します。
というわけで、切妻のフラットハウス外壁の工事が今日から再開!
外壁の塗装。
この建物の外壁は無塗装サイディングに弾性リシン。
高耐久低汚染型のエスケー化研のセラミソフトリシンを採用しています。
道路側はあえて倉のようなシンプルなデザイン。
さて、工事の進捗次第ですが、8月7日(土)、8日(日)の2日間でオープンハウスを開催する予定です。
決まったらまたお知らせします。場所は鹿屋市吾平町になります。
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